Windows 10 へ Tomcat 9.0.29 をインストールする
Java で作る Web アプリケーションを学んでみようかと思い、 開発に使用する Tomcat を Windows10 へインストールしていきます。
インストール環境
ここでは、次の環境に Tomcat をインストールしています。
- Windows 10 x64 (1809)
- JDK 8u231
- Tomcat 9.0.29
JDK は、インストール後環境変数「JAVA_HOME」に JDK のパスが設定されているものとしています。
Tomcat のダウンロード
次のサイトから Tomcat のバイナリファイルをダウンロードすることができます。
構築する環境に合わせて Tomcat のバージョンを選択します。ここでは、Tomcat9 を選択してダウンロードページに遷移します。
いろいろな形式でバイナリファイルが用意されていますが、ここでは「 64-bit Windows zip 」をダウンロードします。
Tomcat のインストール
ファイルの展開
ダウンロードした ZIP ファイル「 apache-tomcat-9.0.29-windows-x64.zip 」を任意のフォルダに展開します。ここでは、「C ドライブ」の直下に「Tomcat9」フォルダーを作成し、作成したフォルダーへ展開します。
環境変数の設定
Tomcat の実行に必要な環境変数を設定します。
環境変数「 CATALINA_HOME 」に Tomcat を配置したパス(ここでは、c:\tomcat9)を設定します。
※ CATALINA (カタリナ)とは:アメリカ、カルフォルニア州のサンタカタリナ島から名付けられたようで、 Servlet コンテナの事を指すようです。
Tomcat の起動と停止
Tomcat を展開したフォルダにある bin フォルダに「 startup.bat 」があるのでダブルクリックし、 bat ファイルを実行します。
初回起動時、ファイアウォールの警告が表示されるのでアクセスを許可するようにしておきます。
任意のブラウザーを起動し、アドレスに「http://localhost:8080/」と入力します。ブラウザに次のような Tomcat のページが表示されれば Tomcat が正常に動作しています。
Tomcat を停止させるには、Tomcat を展開したフォルダの bin フォルダにある「 shutdown.bat 」を実行します。
Tomcat をサービスへ登録
Tomcat をサービスとして実行できるよう登録を行います。
コマンドプロンプトを起動し、 bin フォルダーにある「 service.bat 」を次のように実行します。
C:\Windows\system32>cd c:\tomcat9\bin
c:\tomcat9\bin>service.bat install
Installing the service 'Tomcat9' ...
Using CATALINA_HOME: "c:\tomcat9"
Using CATALINA_BASE: "c:\tomcat9"
Using JAVA_HOME: "C:\Program Files\Java\jdk1.8.0_231"
Using JRE_HOME: "C:\Program Files\Java\jdk1.8.0_231\jre"
Using JVM: "C:\Program Files\Java\jdk1.8.0_231\jre\bin\server\jvm.dll"
The service 'Tomcat9' has been installed.
コンピュータの管理から[サービスとアプリケーション] - [サービス]を選択し、「 Apache Tomcat 9.0 Tomcat9 」が追加されていることを確認します。
Windows 起動時にサービスが実行されるようにするには、サービスのスタートアップの種類を「自動」に設定します。
登録したサービスを削除するには、次のコマンドを実行することで削除することができます。
c:\tomcat9\bin> service.bat remove
以上で Tomcat 9.0.29 のインストールは完了です。
Web アプリケーションマネージャを有効にする
Tomcat には、標準で「 Manager Application 」( Web アプリケーションマネージャー)という Web ベースのアプリケーションが用意されています。
Manager Application には、主に次の機能が用意されています。
- WebアプリケーションのWarファイルを指定したコンテキストパスでアップロードし、デプロイする。
- サーバ上の任意のパスに配置したWebアプリケーションをデプロイする。
- デプロイしたWebアプリケーションの状態を表示する。
- デプロイしたWebアプリケーションを再起動する。
- デプロイしたWebアプリケーションを削除する。
それでは、 Web アプリケーションマネージャが使えるよう設定していきます。
confフォルダにあるtomcat-users.xmlを次のように編集します。
<tomcat-users ...>
...省略...
<role rolename="manager-gui"/>
<user username="admin" password="pass" roles="manager-gui"/>
</tomcat-users>
ここでは、ユーザー名を「admin」、パスワードを「pass」と設定しています。設定ファイルを保存したら Tomcat を再起動します。
任意のブラウザーを起動し、アドレスに「http://localhost:8080/manager/」と入力します。
認証画面が表示されるので、 tomcat-users.xml に設定したユーザーとパスワードを入力します。
ログインに成功すると「Tomcat Webアプリケーションマネージャ」画面が表示さ、有効になったことが確認できます。
Tomcat 起動時のオプション設定
startup.bat から起動する場合のオプション設定
必須ではないですが、いくつかのパラメータが適用されるよう setenv.bat を作成することができます。
例えば、 c:\tomcat9\bin フォルダに setenv.bat ファイルを作成し次の設定をしてくとメモリ割り当てサイズを指定して起動することができます。
set JAVA_OPTS=%JAVA_OPTS% -Xms128m -Xmx1024m -XX:MaxPermSize=256m -server
※注意:setenv.batは、startup.batまたはcatalina.batから呼び出されるためサービスとして実行する場合は適用されません。
サービスから起動する場合のオプション設定
サービスとして起動させる場合、bin フォルダにある tomcat9w.exe を使用してオプションを設定します。 tomcat9w.exe を実行し表示されたダイアログにある「 Java 」タブを選択します。
この画面にある Java Options や Initial memory pool , Maximum memory pool などに必要な設定を行います。