Windows Server 2019 で Active Directory ドメイン サービスの構築 - DNSの設定

メモ:  Category:windows

Active Directory では DNS サーバが必須になります。Active Directory 環境下では ケルベロス認証 ( Kerberos Version5 ) という仕組みが使われており、ケルベロス認証の場合、クライアント PC は認証サーバの IP アドレスを知るために、DNS の SRV レコードを使う仕様になっています。

参考:RFC4120

Active Directory と DNS の深い関係はさておき、 DNS の設定を行っていきます。

前方参照ゾーン SRV レコードの確認

サーバーマネージャーの DNS から構築したサーバー名を右クリックし DNS マネージャーを実行します。

DNSマネージャーの起動

前方参照ゾーンの配下に構築したドメイン名があります。その配下にホスト名と IP アドレスの関連づけを定義する A レコード などが登録されていることを確認します。また、_sites や _tcp , _udp などの SRV レコード も自動的に登録されていることを確認します。

DNSに登録されたレコード
  • A レコード:ドメイン名に対応する IPv4 アドレスを定義するレコードです。これにより、名前から IP アドレスが引けるようになります。
  • SRV レコード:指定されたサービスのサーバーの場所(ホスト名とポート番号)を定義するレコードです。 RFC2782 に定義されています。

逆引きの設定

IP アドレスからホスト名が引けるように逆引きの設定をしていきます。

逆引き参照ゾーンを選択してメニューにある[操作] - [新しいゾーン]を選択します。

逆引きの新しいゾーン作成

新しいゾーン ウィザードが表示されます。[次へ]をクリックして作業を進めます。

新しいゾーン ウィザード

ゾーンの種類を選択します。「プライマリゾーン」を選択して、「Active Directory にゾーンを格納する」にチェックを入れます。

ゾーンの種類

Active Directory ゾーンレプリケーションスコープの選択が表示されます。 DNS が複製される範囲を指定するのですが、今回は「このドメインのドメインコントローラー上で実行しているすべての DNS サーバー」を選択します。

Active Directoryゾーンレプリケーションスコープ

逆引き参照ゾーン名が表示されます。「IPv4 逆引き参照ゾーン」を選択して次へ進めます。

逆引き参照ゾーン名

ネットワークアドレスを「192.168.123.0/24」としたので、ネットワーク ID に IP アドレスの第 3 オクテットまでを入力します。

ネットワークIDの設定

動的更新についての画面が表示されます。「セキュリティで保護された動的更新のみを許可する」を選択します。

動的更新について

最後に確認画面が表示されます。「注意」の部分にあるように、後ほど nslookup などで設定を確認します。

設定に問題が無ければ、[完了]をクリックします。

新しいゾーン ウィザードの完了

逆引き参照ゾーンの配下に新しいゾーンが作成されます。

新しいゾーンの完成

設定の確認

最後の注意書きの通り、 nslookup コマンドを使って IP アドレス から名前を引いてみます。

nslookup コマンドの実行

しかし、ゾーンが作られただけで構築したドメインコントローラーのレコードは登録されていないため名前を引くことができません。

逆引き参照ゾーンの登録状況

そこで、ipconfig /registerdns コマンドを使って DNS へ IP アドレスを登録します。

C:\> ipconfig /registerdns
逆引き参照ゾーンの登録状況

DNS マネージャー で確認すると構築しているサーバーの IP アドレスが追加されていることが確認できます。

  • PTR レコード:IP アドレスに対応するホスト名を定義するレコードです
逆引きレコードの確認

もう一度 nslookup コマンドを使って IP アドレス から名前を引いてみます。今度は、正しく引けることを確認できます。

nslookup コマンドで再確認

外部へ向けた DNS の設定

外部のインターネット側の名前解決のために、自分のドメイン内で解決できない問い合わせを外部の DNS へ依頼するように設定しておきます。

DNS マネージャーに表示されているサーバーを右クリックして表示されたポップアップメニューのプロパティをクリックします。

フォワーダーの設定

プロパティの画面が表示されます。フォワーダーのタブを選択して[編集]ボタンをクリックします。

フォワーダータブ

「ここをクリックして IP アドレスまたは DNS 名を追加して」の部分をクリックして外部向けの DNS サーバーの IP アドレスを入力します。

外部向けのDNSサーバーのIPアドレスの追加項目
外部向けのDNSサーバーのIPアドレスを登録

フォワーダーのタブに表示された一覧の中に入力した IP アドレスが追加されていることを確認します。

フォワーダーの設定完了

以上で DNS の設定ができました。

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